文部科学省 科学研究費補助金 学術変革領域研究(B) 令和5年-8年度
超軌道分裂による新奇巨大界面応答
Colossal Interface Response: CIR
OVERVIEW
近年、本領域研究のメンバーにより、酸化物や金属などの異なる物質同士間の接合界面において、理論的には予測されてこなかった電場による種々の巨大な磁化応答が観測されています。これらは、既存の学問では十分には理解されてこなかった界面での特異的な軌道分裂「超軌道分裂」に起因していると考えられます。これらの現象を応用することにより、非常に高効率なデバイスが実現できる可能性があるのと同時に、これらの発見は、様々な物質系のヘテロ界面に、未知の現象が隠されている可能性を示唆しています。本領域研究では、様々な界面を用いて、外場(電場・磁場など)による物性応答(磁化・スピン・構造変化など)を詳細に調べることにより、『高効率デバイス』の実現に結びつく新たな機能性を生み出す『界面学理』の構築を目指します。本現象を原子スケールで観測し、第一原理計算を用いて理論的に理解し、その結果を実験にフィードバックする循環型研究体制により、新たな現象や材料系を開拓していきます。異種材料界面において、超軌道分裂の物理を理解し、高効率に制御することにより、外場による巨大応答を得る上で基礎となる新規の学問分野を創成することを目指します。
[研究期間 2023年度~2025年度 領域番号:23H03801(総括班),23H03802~5(計画班)]